事のはじまり

 

 うちの裏にはある会社の車庫がある。

そこには休憩所みたいな所があって、いつも数人の人達がいた。

その中に猫好きの人たちが3人ほどいて、自分達で野良猫にエサをやっていた。

エサをもらった野良猫は子供を産み、そこに集まる野良猫はどんどん増えていき、

何10匹にもなって行った。

  ところがある日を境に、その人達が野良猫にエサをやらなくなった。

理由を訊くと、上層部から「エサをやらないように」との通達があったと言うことだった。

近所の人から、「野良猫がゴミを漁って困る。」というような事を言われたらしい。

でも、その人達は言っていた。

「うちで充分にエサをやっているのに、ゴミ箱を荒らすはずがない。」って。

  私と母は、野良猫にエサをやってくれる人達に密かに感謝していたのに・・・。

でも野良猫と自分のクビ、それは考えるまでもない。

エサをもらえなくなった野良猫達は、そのうちにどこかに散り散りになっていなくなって

行った。

それでも数匹は残っていて、エサをくれていた人達の足元にまとわりついていたという。

その人達、辛かっただろうな。

  で、ついに我慢できなくなった私が自分んちの庭にこっそりとエサを置いたのでした。

もちろん、母の許可をとって。

これが、我家に外猫と呼ばれる奴らが現れる始まりだったのでした。

この時こんなことをしなかったら、今頃猫7匹も抱えてなかっただろうなぁ・・・。

後悔はしてないけどね。