たろーの場合

 
   たろーは正式には『うちの猫』ではない。たろーは、はな&じろーの時に書いた
   入院させたけど死んでしまった仔猫だ。毎日見舞いに行き、
   退院したら『うちの猫』にしようと思っていた。

   たろーが死ぬ前日、体温が下がっていて危ないと言われた。
   いったんは家に帰ったが、病院に電話をして「どうせだめなら連れて帰りたい」
   と言ったが、「まだ回復するかもしれないから」と言われて諦めた。
   でも、やっぱりだめだった。連れて帰って一晩一緒に寝た。

   私が病院から帰る時に、たろーは鳴いて追いかけてきた。
   3週間もひとりぼっちで入院させて、淋しく死なせてしまった。
   この時、私は『うちの猫』には2度とこんな淋しい死に方はさせないと誓った。
   たとえ死期が早まろうとも、入院させずに私の腕の中で死なせてやろうと思った。

   たろーは家の中ですごす事はなかったけれど、それでもたろーは『うちの猫』だった。