みみの場合

 
   1年数ヶ月前のある日、うちの近所にいる野良猫が
  1匹の仔猫を連れていた。
  いつの間に産んだのかも、何匹かいたうちの最後の1匹
  だったのかも解らなかった。

  寒い冬、このままでは生き残れないのではないだろうか、
  こんなに可愛いのに、誰かもらってくれる人はいないだろうか。
  と心配していたら、近所の子が欲しいと言ってきた。
  親も飼っていいと言ったから、と言うのでその子の家に
  もらってもらうことにした。

  その時みみは風邪をひいていたので、もらってもらうのに
  これではいけないと、風邪が治るまで預かることにした。
  ところが風邪が治っていざ渡そうとしたら、子供の親が飼えない
  と言ってきた。
  親が飼ってもいいと言ったというのは、子供の嘘だったのだ。

  もらいてのなくなった、この仔猫。
  もらってもらうのだからと、名前もつけずにいたのにどうしよう。
  他の人にも聞いてみたけど、誰ももらってくれない。
  そうしているうちに、だんだん手放したくなくなって来てしまい
  ついにこいつも『うちの猫』になってしまった。